パンドラの箱が開いた夜
先日「9月21日に女性管理職限定の昼スナックをやります」という告知をしました。
その告知をした日の夜中にふと目が覚めてから、パンドラの箱を開けてしまったかのように管理職時代のいろいろな記憶――嫌な記憶のフラッシュバックのようなもの――が芋づる式にどんどん出てきました。
普段は忘れていて考えもしないようなことが次々と浮かんできて、眠れなくなってしまいました。朝方まであまり眠れず、嫌な気持ちになったのですが、ベッドの上でひたすら内省する中で「ああ、そういうことか」と腑に落ちたことがありました。
「管理職」を語ることへの抵抗感
これまでにも、管理職経験のキャリアをもっとアピールした方がいい、コーチングに活かした方がいいのでは?と何人かから言われたことがありました。
でも、それはあまり自分の中では乗り気ではありませんでした。
自分では普通だと思っていることが周りから見たらすごいことで、それが特別なことだと気づけていない、というパターンがよくあります。
自分ではまったくすごいと思っていない、周りにもたくさんいたから別に特別だとは思っていない――謙遜というより、本当にそう思っていないから実感が沸かなくて、優先順位を下げる判断をしているのだと自分でも思っていました。
でも今回のフラッシュバック体験を通して、こちらが本音だったのだと気づきました。
会社員を17年、3社経験して、その全部で管理職をやっていた、と聞くと、いわゆるバリキャリの華やかな話を想像する人が多いと思います。
でも実際は、特に1社目は私自身も未熟でしたし、会社も20年近く前のことですから、今でいうパワハラのようなこともありました。
私自身の力不足や至らなさから、恥ずかしい、痛々しい失敗もたくさんしました。
今時のカスハラほどひどくはなかったですが、いわゆるクレーム対応、嫌なお客さんへの対応を店長として引き受けなければならず、それがうまくいかないこともありました。
とにかく、嫌な思い出が多いんです。
実際は楽しかったこともたくさんあるけど、人間の生存本能として嫌な思い出のほうが強く残るという性質もあるでしょう。
嫌な思い出だからこそ、そこにスポットライトを当ててほしくない、というのが正直なところなのでした。
今さら蒸し返して傷口に塩を塗らないでほしい、そこにスポットライトを当てないで、そーっとしまわせておいてほしい――それが気が乗らなかった本当の理由だったのだと合点がいきました。
過去を見る時、良かったことだけを都合よく切り出すことはできません。
表向きはポジティブな面だけをきれいに切り取って見せることはできても、自分の中ではそれとセットでマイナスな、ネガティブな思いがどうしても出てきてしまう。
だからそれをやりたくなかったんだな、というのが本音なのだと改めて気づいたわけです。
「捨てた」過去の中に光るn=1の経験値
一瞬、告知したことを少し後悔しかけたのですが、眠れない夜を過ごしながら徐々に捉え方を変えていきました。
この身も心もズタズタ、ボロボロな感覚。
これは、私だけが特別に経験しているわけではないはずです。
今まさに、同じような思いをしている、戦いの渦中にいる方もたくさんいるはずです。
だから、私にとっては過去のこの経験をなかったことにするのではなく、「こんなことがあったんですよ」と笑い話に変えられることで、今苦しんでいる誰かの心を軽くできるかもしれない。
戦う女性に少しでも希望を与えられるかもしれない、そう思いました。
最初からそこまで考えていたわけではなかったのですが、私はSNSのプロフィールなどにも管理職を「辞めて」ではなく「捨てて」独立したと表現しています。
つまり過去をすっぱり捨ててなかったことにする、リセットするような表現をしていたんです。
でも、やっぱり過去はなかったことにはなりません。
過去の中には、自分の辛かったこと、乗り越えたこと、頑張ったこと、工夫したこと、うまくいかなかったことも含めて、経験値が――私だけのN=1の経験が、少なくとも17年分詰まっています。
それをまるっとなかったことにして捨ててしまうのは、もったいないのでは?
特に個人でサービスを提供する人は、基本的には自分がやってきたことを誰かに伝える、教える、活かすということでしか、成り立たないのではないかと思っています。
だとすれば、私が今までやってきたことに価値をつけて誰かの役に立てるようにするなら、管理職時代の苦労話を抜きにして、私のキャリアも人生も語れないのだろうと思います。
私自身も改めてそこに向き合い、時間を置いてアウトプットし、昇華していくことができると、いわゆる成仏するような感覚があります。
だから、これは私自身のためでもあるのかもしれない、と改めて思い直すことができました。
辛かった過去を笑い話にできた時、やっと本当の意味で「過去」になり、人生を次のステージに進めることができる。
だからこのタイミングで、あるマスコミ関係の方が私の経験をヒアリングをしてくださり、「3社で管理職を経験している女性なんてなかなかいない!マスコミ的には絶対見逃せないポイントですよ」と言ってくれたことにも意味があったのだと思います。
心の土台が整った今の自分だからこそ、そう受け止められる。
そういうタイミングとしての意味があったのかな、と思えたので、このタイミングで企画してよかったと今は思えています。
9月21日(月・祝)、女性管理職限定「昼スナック」のお知らせ
というわけで、9月21日月曜日の祝日、シルバーウィークの真ん中に女性管理職限定の昼スナックを開催します。
一般的なカレンダーでは5連休のど真ん中の開催。
前職のつながりや、高校・大学の友人などで管理職をやっていそうな方にいろいろ声をかけてみたのですが、旅行など別の予定がある方が圧倒的に多く、今のところ前向きな返事は2人のみです。
ご本人はもちろん、ご家族、パートナー、ご友人、知人で現在女性管理職として頑張っている方がいらっしゃいましたら、ぜひシェアしていただけるととても助かります。

